描画講座19
前回の宿題に再びシャクヤクの花弁と葉を彩色しました。
鮮やかな発色に定評のあるダニエル・スミスの水彩絵具を使ってみました。重色や混色に対してなんとなく濁りが抑えられたように感じます。
ヴェラムに描く場合に比べると、紙に濃い色を表現するのに手間がかかり難しかったです。紙の内部に絵具が吸い込まれて、なかなか理想通りの色になりません。
反対に、淡い色の表現は紙の方が発色が美しく感じます。
ところで、この講座を通して、植物画がどのように社会と結びついているのか実例に触れる事が多くあります。
日本の状況と比較すると、美術作品としての企画展示や公募展はもちろん充実しており、図録や技法書などの美しい関連書籍が数多く出版されています。
植物学的な面では、博物学会での作家の表彰や、王室が主導する植物保全のための制作企画、医大附属薬草園からの図録出版など、アカデミックな形で植物画が現代社会に貢献している様子を目にします。
このような盤石な土台のおかげで、次世代の制作者にとっても可能性が見えやすいのではないでしょうか。各国から作家が集い、さらに高度な展開を迎えています。
学術的な歴史の中で培われた土壌は、他国の追随を許さないと感じさせます。
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