作品調査18
サイモン・テイラーの作品には、光源の位置にも計画性を感じます。
植物画は順光で描くのが一般的とされていますが、サイモン・テイラーの作品は一貫して左横からの光で描かれています。例えば下の画像の花や葉の影を見ると、光が当てられている方向がわかります。
順光よりもやや逆光ぎみに設定することで、ドラマチックな陰影を与える事ができます。
ほとんどの作品に一貫した陰影が見られることから、光が散乱する屋外ではなく、室内で左手側の窓からの自然光を頼りに制作していたと想像しています。
画材に対する配慮だけでなく、描画環境へのこだわりと計画性が伺えます。
Scolymus maculatus (部分)
Simon Taylor
50×35cm 1760年頃
©︎ The Board of Trustees of the Royal Botanic Gardens, Kew
0コメント