描画講習12

集中講座最終日は、昨日に続いて自主制作を通して先生からアドバイスを受けました。

下の画像はウェットオンウェット技法の下塗りをもとに、ドライブラシで細密描写を行なった習作です。

パンジーも洋ナシも、ウェットオンウェット技法をうまく用いることで、要領よく自然な感じに仕上げられたと思いました。

ファブリアーノアーティスティコに、シュミンケとウィンザー&ニュートンの絵具で制作しています。アメリカの絵具会社ダニエル・スミスも勧められたので、後日試してみたいと思います。


集中講座は本日で終了ですが、ジュリア先生はブリストルを中心にいくつかの教室を運営されているそうです。ロンドンや海外都市でもワークショップをされています。
年間講座では、長い時間をかけて植物を観察し、構図や展示を意識した指導が行われているそうです。


盛りだくさんだったキュー植物園の描画講座に比較すると、彩色技法を集中的に習得するための講座でした。目的が絞られていたため、落ち着いて描画にじっくり時間をかけることができたと思います。時間配分や課題の量は、講座を運営する上では内容以上に大切かもしれないなと感じました。
負荷が少なくリラックスした雰囲気の講座であったため、受講生も上品なマダムが中心でした。まるで結婚式に招かれたような円卓を囲んでの昼食やお茶の時間が、イギリス的な優雅さを感じさせます。たわいのない会話も乗馬や園芸についてです。
貴族や上流階級の人々を中心に育まれてきた植物画の潮流が、こちらでは折々でリアルに実感できます。日本では意識することのない点でした。

来週から間髪入れず、またチェルシー植物画学校のカリキュラムに戻ります。


Plants on Vellum

ヴェラムに描かれた植物画 ー作品調査と実験制作ー

0コメント

  • 1000 / 1000