描画講座 Kew9

トルコキキョウの彩色の続きをしました。
オーストラリア人植物画家の制作の様子を記録した動画を、先生の解説つきで鑑賞しました。植物の採取の時点から紹介されたドキュメンタリー番組で、とてもわかりやすかったです。

まだ彩色が終わらないのですが、もう時間が残り少なくなってきたので彩色を途中で切り上げて分解図に取り掛かることにしました。
トルコキキョウの花をメスで解剖し、萼や雌しべを取り外します。開花に合わせて雌しべと雄しべの先端がそれぞれ割れて様子が変わります。割れる前と割れた後の両方の様子を、幅や長さを正確に測りながら描写します。特に雄しべは、花粉が出てくる前の葯を描くことが大事だそうです。

いくつもの花を解剖して、トルコキキョウの性質を正確に表しているものを探すのですが、雄しべの数が多すぎたり、雌しべの先端が三裂していたりと、なかなか思わしい花がありません。
先生によると、人工的に品種改良された八重のトルコキキョウであるために、本来の性質から変化してしまったそうです。
本来のトルコキキョウの雄しべは5本、萼や花弁も5枚だそうです。

解剖が済んだ各部位を、顕微鏡で観察しました。肉眼では見えなかった細かな毛や細胞が見え、小さな世界に夢中になりました。
植物は本当に細かなところまで造形に優れていて、見ていて飽きません。色もとてもきれいだったので急いで小さな雄しべの彩色をしましたが、ほんの10分足らずで葯が割れて花粉が飛び出してきました。
葯が割れる途中の様子もとても神秘的です。


明日でとうとうこの講座も最後になります。
まだ作品を完成させるには数日必要な気もしますが、先生も受講生も疲れきっているようです。私はもう少し解剖と顕微鏡での制作を続けられるよう、残された1日を有効に使いたいと思います。

今日は大変風が強く、キュー植物園自体が臨時閉園にならないか心配なほどでした。
先週は20度を超える暖かさだったのに、今週は連日冷たい嵐が続いています。

Plants on Vellum

ヴェラムに描かれた植物画 ー作品調査と実験制作ー

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