描画講座 Kew2

2日目の今日は、前日のプリムラのデッサンの続きをしました。


暖かいせいで花が次々に開き、前日とは形が変わっていました。中には初めから描き直す受講生もおり、変化の激しい春の植物には特に翻弄されます。


ある程度描き進めたところで、花の解剖と影の付け方の実演解説がありました。先生は定期的にクラスを巡回し、一人一人の状況に合わせて指導を行います。その合間に、先生自身も参考作品としてプリムラを描いています。


受講生は終始、水を打ったように静かに制作に取り組んでいたのが印象的でした。多くの受講生が開始時間より早くきて描画を始め、終了時間ギリギリまで課題に取り組んでいました。おそらく課題が難しすぎるために集中せざるを得ないのだと思います。


下の画像は私が現在描いているプリムラです。写真は用いず、実物観察をもとに描きます。

A4サイズより少しだけ大きいファブリアーノ・アーティスティコに、HBとBの鉛筆で制作しています。



葉の細かな凹凸が激しくて、全ては描ききれませんでした。葉の凹凸をペン画で表現するのはどうしたらよいか先生に伺ったところ、全てを忠実に描く必要はないとのことです。

サイエンティフィックイラストレーションのペン画となると、かなり実物に忠実に描くものと想像していたのですが、どのような方向性で描けばいいのかいまいちわかりません。

雌しべや雄しべの形や長さといった要素に正確さが求められるのはわかるのですが、葉の凹凸の程度はあまり重要ではないようです。個人的には、ありのままの状況を全て正確に描けたらなと思っていたのですが、限られた時間の中でより多くの描画を求められる場合には、そんな悠長なことを言ってられないのかもしれません。また、説明図としてのシンプルさが求められるので、見えたもの全てを描くのではなく、どの情報が必要か取捨選択しなければならないようです。標本をもとにして描く場合と、生きた植物をもとにして描く場合でも少し方針が異なり、言葉だけで理解するのには限界がありそうです。

先生の説明を聞いていると、おそらく私のデッサンは、ペン画の下図としての趣旨から少しずれているような気がしました。特にペン画では「影」を描かないそうなので、前後関係をどのように表すか今一度考え直さないといけないなと感じています。



明日はプリムラのデッサンをトレースし、ペンとインクによる作品制作に移行するそうです。
また、午後には標本館の見学が予定に入れられています。


Plants on Vellum

ヴェラムに描かれた植物画 ー作品調査と実験制作ー

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