描画講習4

チューリップの分解と観察をしました。

分解する前に、まずチューリップが描かれた作品を図録で鑑賞し、表現方法、歴史的背景などを確認します。16世紀から現代までの描画材の異なる様々な作品についてディスカッションを行いました。

次に、チューリップの分類、構造、各部位の名称などを学びます。こちらでは植物画家のための分解図や分解方法が説明された本があり、大変参考になります。ぜひ一冊ほしいなと思いましたが、現在はイギリスでもなかなか入手できないそうです。残念です。

これらの事前学習を経て、いよいよ分解と解剖を行います。チューリップは3の倍数分の花弁で構成されています。名称を確認しながら、花弁、雄しべを取り除き、雌しべをメスで切断します。断面、各部位、花の脈の方向など、対物顕微鏡とルーペで拡大観察します。
その後、異なる園芸種を何種類か分解して、それぞれの色や形の違いを比較します。
今日は分解に集中するために、描画はせずに写真で記録するように勧められました。
私があまりに宿題に時間がかかるので、気を遣われたのかもしれません。



先生は素早い手さばきで、花弁の上から雌しべごと上手に左右対称に切断しました。
私が行うと雌しべが変な部分で切れてしまい、花弁もガタガタに千切れます。五本の練習のうち一度も満足に切れません。料理のセンスが必要な気がしました。私には苦手な作業です。

チューリップは植物の構造を学ぶのに大変重宝するそうなので、しばらく切断の練習をし、ぜひ帰国後の講座で実践してみたいと思っています。

Plants on Vellum

ヴェラムに描かれた植物画 ー作品調査と実験制作ー

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