描画講習3

宿題はやはり終わりませんでした。来週に持ち越しです。

今日は、鉛筆デッサンを組み立てるプロセスを学びました。
初めて植物画を描く人に対して、段階を踏んで進める方法です。これまで何も考えずにデッサンしていたので、4段階ほどにマニュアル化されたプロセスを知り驚いています。
立体物を描写する際には、表面描写と立体描写を同時に達成する必要があり、習得にはそれなりの時間がかかるものです。
この難点を効率よく頭で理解するために、表面描写と立体描写を分けるという合理的なプロセスでした。やみくもに練習を繰り返すよりも習得にかかる時間が早まるのでしょう。

また描画面積は最小限に絞って練習します。全体像を描いて余計な労力を使うのではなく、様々な例題を繰り返し練習し、徹底的にプロセスを会得するためです。
下の画像は、描画範囲を限定するための手作りの窓枠です。

少し合理的過ぎる感じもしますが、2年間という短い期間で受講生それぞれが作家として独立することを目標にしており、必要な技術や知識を効率よく習得させるという考えです。揺るがない目的のもとで講座が運営されていると感じました。




余談ですが、先日ご紹介したパイナップル型の石膏は門柱に飾るためのものだそうです。
パイナップルが大変高価だった時代に、大切なお客様を家に迎える際にパイナップルを用意する風習があり、その名残でその形をあしらった石膏を飾るようになったそうです。歓迎の意味が込められています。
サクラが日本人にとって特別な植物であるように、ドングリや松ぼっくりなどもイギリス人にとって特別な意味合いがあるようで、同じく石膏にされているものを目にします。

それにしても、レンガ造りの家とパイナップルというのはなんとも不思議な組み合わせではないでしょうか。些細な文化の違いがとても面白く感じられます。


Plants on Vellum

ヴェラムに描かれた植物画 ー作品調査と実験制作ー

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