作品調査41
キュー植物園で、フランス人作家パンクラス・ベッサ(Pancrace Bessa、1772– 1846年)の作品を閲覧しました。
ヴェラムにしては珍しく、ウェットオンウェットのような方法で彩色されているように見えます。
一般的にはヴェラムの波打ちを防ぐために筆の水分量を少なくして描く作家が多いのですが、この作家は様子が異なり驚いています。
作品には大変滑らかな最高品質のヴェラムが用いられており、作品の周りには金箔のラインが押されています。同じく金箔が押されたリンドレー図書館のクロード・オブリエの作品も、元はフランス王室の収蔵品でした。
パンクラスのこの作品群もフランス王室の収蔵品だったのではないかと想像されます。さらっと描いていますが、経験豊かな描写力とクオリティの高さを感じます。
Scotia speciosa
Pancrace Bessa
267x211mm (枠内185x110mm)
©︎ The Board of Trustees of the Royal Botanic Gardens, Kew
色んな作品を見れば見るほど新たな疑問が増えるばかりです。勝手な想像はできても、推測の域を出ません。
意外とああでもないこうでもないと考えているうちが楽しいのかも知れません。
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