描画講座24
チェルシー薬草園でディプロマコースの「ファイナルプロジェクト」の審査が行われました。
「ファイナルプロジェクト」とは2年間コースの卒業試験に位置づけられます。
日本での講座運営に役立つだろうという配慮から、審査を見学してはどうかと提案をいただきました。ちなみに私は作品を提出しているわけではなく、他の受講生もその場にいません。審査員数名と学長だけで非公開審査が進められます。私はオブザーバーとして、メモをとりながら遠巻きに観察していました。
受講生はテーマに基づいた6点の作品の提出が課題とされ、それらと共に各自が作成したレポートを思い思いの形で添付しています。作品の審美的側面や独自性に加えて、提出物のクオリティも評価を左右します。テーマに一貫性がなかったり、植物の特徴や学名が間違っているようなことがあれば容赦なく減点されます。
審査員は、植物画家、キュレーター、植物学者、ギャラリー関係者など、学長によって外部の専門家が集められています。それぞれ異なる視点から語られる内容は、知識が偏っている私には気付けないものばかりで大変勉強になりました。
今後自分に必要なのは、視野を広げるために別分野の横のつながりを持つことかもしれません。
私にとって初対面の人々の輪に飛び込むのは相当勇気がいることなのですが、こちらではそのような交流が日常茶飯事のように行われています。何かにつけてパーティーが開催され、初対面の人物同士が気負うことなく軽やかに食事や会話を楽しみ、その中で新たな交友関係が育まれています。
ただ絵を描いていればいいと思っていたのですが、ここにきてコミュニケーション能力の大切さを思い知らされています。
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