キュー植物園へ

キュー植物園に作品を収蔵していただくことになりました。

作品はミクロネシア連邦のモキール環礁で栽培されているタコノキ属の一種 Pandanus tectorius (パンダヌステクトリウス) の、En Kehlen (エン・ケレン) と、同じくポンペイ島で栽培されているWededed (ウェデデッ) です。

7月のRHSショーで、この2点を含む計6点のパンダヌステクトリウスを展示する予定でいます。
これらは日本で馴染みがないため想像しづらいことと思いますが…、例えるなら、リンゴのうち、ふじ、紅玉、ジョナゴールドなどの品種の違いを描き分けるようなテーマです。


タコノキ属のエキゾチックで力強い果実は、私には非常に魅力的に感じられ、生息地での採取と環境学習を行なってきました。
パンダヌステクトリウス自体は絶滅が心配されるような種ではありませんが、WedededやEn Kehlenは環礁を中心に栽培されている限定的な品種です。
しかしモキール環礁では人口流出と生活の近代化が進み、これらの栽培種も徐々に失われつつあります。私は住民と植物との密接な関わりに感銘を受けたことから、作家として何か貢献したいと考え一連の栽培種を記録してきました。

したがってキューのような国際的研究機関に植物画を残すことができ、ひとつ目的が果たせたと嬉しく感じています。
環礁のユニークな文化や環境保全に目が向けられるきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
ご協力くださったモキールやポンペイの人々にも、伝統的な暮らしをさらに誇りに感じていただけたら幸いです。

Plants on Vellum

ヴェラムに描かれた植物画 ー作品調査と実験制作ー

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