作品調査27
大英図書館でエイレットの銅版画を閲覧しました。
一年間有効の閲覧カードにより、閲覧室への入室が許可されます。館内は分野ごとにいくつもの別れた閲覧室があり、案内に沿って貴重図書の閲覧室に入室しました。
これまで訪れた各施設と異なり、非常に広い室内で大勢の閲覧者が学習しています。
出入室の際にはセキュリティチェックがありますが、ずっとそばで監視されているわけでないため、緊張せずに利用できます。
閲覧したい資料をオンラインで申し込むと、しばらくして書庫から実物が閲覧室に送られてきます。どんな資料なのかワクワクして待っていると、ボロボロに劣化して外観を保っていない本と、金の紋章と装飾が刻印された立派な革張りの本が送られてきました。どちらもエイレットの銅版画が収められている大型本です。
中には、これまで別の施設で閲覧してきたヴェラムの原画と図柄が一致する銅版画が多く見られました。
ヴェラム作品の方は美的価値が重視されているのか、断面図や解剖図が付属されることが少ないのに対し、印刷物の方はかなり詳細な図が加えられていて植物学的な目的で描かれていることがわかります。文字情報も非常に細かく組み込まれていて、ヴェラム作品とは明らかに方向性が異なります。
エイレットは目的によって構図や描画スタイル、支持体を器用に使い分けていることがわかりました。
画像は図書館中央にディスプレイされている貴重図書の棚です。一冊一冊の装丁が豪華で、たくさん並べられた様子が非常に美しいです。
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