描画講座23
毛の生えた葉の彩色が宿題として出されていました。
よく観察して描いたつもりでしたが、最終的に写真に撮って比較してみるとやはり違いがあります。
写真といえば…、以前から植物画制作では漠然と写真を頼りにしてはいけないように理解してきましたが、なぜそう感じるのかその理由を説明できずにいました。イギリスではどのように考えられているのだろうかと気になり、これまで折々で先生のご意見を伺ってきました。
結局のところ、どの程度画像技術を利用するかは作家によって異なり、作品を描く目的がどこにあるのかを理解すれば、自ずとそれぞれの答えが見えてくるようです。
例えば、一瞬の光の反射や明暗を確認するには写真やデジタル画像が優れているため、積極的に利用していくべきとの考えを伺っています。優れたものはうまく取り入れるという合理的な考えです。
ただし注意が必要なのは、実物の植物観察をせずに写真のみを写して描くような場合で、このような作品は「花の絵」ではあっても植物画本来の目的を持たないものがあります。実際には「花の絵」が植物画と同じ会場で展示されることも多く、両者の境目は非常に曖昧です。これは一部の植物画作家の間では常々危惧されている問題ですが、一般鑑賞者が違いを理解するのは難しい事と思います。
今日は図録を通してこのような現代作品の傾向と問題点についてディスカッションし、自分の現在の作品テーマと今後の展開についても絞り込んだアドバイスをいただきました。
先生には私に見えないものがたくさん見えているようで、ひとつ先の目標を的確に与えてくださいます。
頼もしいだけでなく、いつでも楽しく暖かい雰囲気で進めてくださるので、人間的にも優れた先生に出会えたことに感謝しています。
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