科学博物館

休日に科学博物館に行ってきました。
こちらもまたV&A美術館と同じく、自然史博物館の隣にあります。

まず建物を入るとすぐに、産業革命で使われていた大型機械や蒸気機関、初期の自動車や飛行機、月面探査機や人工衛星などが堂々と展示されています。蒸気を使った巨大な機械が学習用に動かされているため、それらの迫力に圧倒されます。

別棟では、電信機の仕組みと、電線や海中ケーブルの初めての設置にまつわる苦労話しなどが丁寧にわかりやすく説明されています。限られたキーを組み合わせてアルファベットを表し、電報を送る体験をしてみました。日ごろ遠く離れた日本との電話を当たり前に考えていましたが、これらの発明や苦労のおかげで便利に過ごさせてもらっている事を感慨深く感じます。

他にも、古代の頭蓋骨から当時の外見を復元するゲームや、時代による苗字の分布をチェックできるシステム、イギリス空軍機の運転シュミレーターなど、体験型の機器が数えきれないほど用意されています。1日で見て回るのは不可能で、何度来ても飽きないだろうと思いました。

下の画像は紡績工場で使われた大型機械と蒸気自動車です。イギリスでは近代史の幕開けとして産業革命が大きく取りざたされますが、それがいかに重要な出来事だったのか展示物からよく伝わってきます。


イギリス産業革命の時期は1760年から1830年頃とのことで、ちょうど現在調査している作品群と年代が重なっています。当時、植物画分野もまさに転換期を迎えた頃で、この時期を境にヴェラムはほとんど使用されなくなっています。
科学博物館の展示からは、発展の栄光の裏にある当時の忙しさや時代の急激な変化をうっすらと感じることができました。

インターネットの発達した今日は産業革命時の状況に似ているように思います。誰もが世界中の情報を瞬時に共有できるおかげで、いつでも忙しく、絶えず変化と進歩を求められているようです。
先日訪れたSBAの植物画展でも、全体的な作品傾向の変化を目の当たりにしました。
進化を追求するのか、伝統や形式に価値を見出すのか、大局の難しさを感じた次第です。

Plants on Vellum

ヴェラムに描かれた植物画 ー作品調査と実験制作ー

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