オランダ絵画
日本ではゴールデンウィークも終わり、温かな陽気を迎えた頃でしょうか。連休頃に各地で咲き誇るジャーマンアイリスが懐かしく感じられます。
こちらでは多くのトチノキが一斉に開花していますが、冬のような寒さに舞い戻り、屋外をゆっくり散策する余裕がありません。
代わりにナショナルギャラリーで、花を描いたオランダ絵画を鑑賞しました。
知人に絶対見てきてと勧められたラッヘル・ライス(Rachel Ruysch, 1664 - 1750)の作品を目当てに、ごく小さな展示室を訪れました。オランダ黄金時代に活躍したラッヘル・ライスは、花の静物画を専門にした女性画家です。
肖像画家と結婚し、なんと10人もの子供を産みながら宮廷画家も務めたというバイタリティ溢れる女性です。
まずその描画技術に脱帽です。構図や色の配置など、細かな配慮も素晴らしいです。
同じ小展示室には他にも数点の植物絵画が展示されていましたが、彼女の作品は群を抜いて完成度が高いと感じました。
特に油絵具の白色顔料の発色が良く、紙やヴェラムへの水彩画では難しいとされる白い花の表現に感嘆されられます。
一緒に鑑賞していた油彩画家によると、オランダ絵画は絵具が大変美しく定着していて、当時は画家自身が絵具を練っていたことを考えると驚くべき技術力だそうです。
Flowers in a Glass Vase with a Tulip
Rachel Ruysch
1716
The National Gallery, London
On loan from a private collection
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