ヴェラムへの描画

個人的なヴェラムへの描画方法を記載したいと思います。

作品はイーゼルに立てかけて彩色しています。筆に含ませる水分量が少ないため、立てかけて彩色しても流れません。ヴェラムに水分を与えると伸縮を起こすため、仮に水平に置いたとしても、一般的には極力水分量を抑えて彩色します。


ヴェラムはちょっとした湿度変化であからさまに伸縮を繰り返すため、別の二次的な支持体に固定して歪みを抑える必要があります。個人的には木製パネルを用いていますが、紙やキャンバス用に作られた既製のパネルでは強度不足であると痛感しています。ヴェラムを緩めに張ったり、パネルを自作してみたり試行錯誤しているものの、まだ納得のいく答えにはたどり着いていません。



今制作中のPandanus tectorius です。
制作段階もほとんど終盤に入り、あとは枯れた苞葉の彩色を残すのみです。果実部分に比べると、作品中の優先順位が低い部位なので後回しにされました。実物はとっくに枯れてしまっています。果実部分も、冷凍した小石果をその都度解凍して細密描写をしています。
ヴェラムへの彩色は紙に彩色する場合よりも時間がかかる印象があります。 水分量を減らす必要性から、広い範囲の彩色にもハッチングや点描を利用するためです。


ヴェラムの長所を生かすには適切な扱いと知識が必要です。まだ解決できない問題が多いので、制作を繰り返しながらヒントを探したいと思います。


Plants on Vellum

ヴェラムに描かれた植物画 ー作品調査と実験制作ー

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