作品調査36

V&Aでエイレットの作品の続きを拝見しています。

今日は華やかな園芸品種がシリーズで描かれた作品を閲覧しました。
バラ、ヒヤシンス、カーネーション、チューリップなどについて、それぞれ何種類かづつ異なる品種が描かれています。

どれもヴェラムとしては大型作品で、制作年は1743年から1745年に集中しています。
花の下地や茎のハイライトなどに彩色された鉛白が、黒く変色しているものが多いです。
その後エイレットの晩年に近づくにつれて鉛白はほとんど彩色されなくなります。同時に白い花にも白色顔料が用いられなくなり、年代によって彩色方法に変化が見られます。


V&Aのエイレットの作品は、だいぶ昔にマウントされたもののようです。作品の裏から直接セロテープで台紙に接着されており、そのセロテープも粘着力が低下して作品が剥がれているものがあります。他の施設でのマウント方法に比較すると、ぞんざいな方法に感じます。ただし作品自体は他の施設と比較してもかなり立派で、そして大量にあります。
よく閲覧されるためなのか、作品全体をとおして波打ちやシワが目立ちます。

Plants on Vellum

ヴェラムに描かれた植物画 ー作品調査と実験制作ー

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