作品調査31
大英博物館で作品を閲覧させていただきました。
閲覧したい作品と研究内容を伝えて事前に予約をしていました。場所はプリントルームという、古めかしい雰囲気の収蔵室兼、閲覧室です。決められた時間内で、学芸員の方の細やかなご協力のもと閲覧を行いました。監視を兼ねているのだと思いますが、極めて親切でした。
これまで作品画像の掲載に関して、書面での申請が必要な施設がほとんどでしたが、大英博物館では撮影も掲載も自由だそうです。
やっと素晴らしい作品を画像でご紹介できて嬉しいです。
Pinus americana palustris
G.D.Ehret
530x366mm
©︎ Courtesy of the Trustees of The British Museum
エイレットの作品の中でも大変質の高いヴェラム作品であると感じました。展示用にマウントされた時期から約40年が経過していると思われますが、これまでと異なる方法が施されておりヴェラムに波打ちがありません。17-18世紀の作品では、全く波打ちのないヴェラムを初めて見ました。
自然史博物館でこの作品の下図を閲覧していたため、どのように本画に展開されたのかとても興味がありました。いわゆる転写の痕跡がないので、ヴェラムの透過性を利用して下図を透かし写したのではないかと想像しています。
ただし想像や仮定はできても、絶対そうだという裏付けが得られるほど整理しきれていません。時代を遡って確かめることができればどんなにいいだろうかと思います。
作品を見れば見るほどいろんな疑問が湧いてきます。偉大な作家達から直接学んでいるような感覚と同時に、難問を突きつけられている気分です。
0コメント